日本雪崩ネットワーク(JAN:Japan Avalanche Network)は、冬季アウトドア活動の雪崩安全に係わる非営利の専門団体です。雪崩教育・雪崩情報・事故調査・リソースの提供を4つの柱に活動しています。会員は、山岳ガイドやスキーパトロール、救助隊員など現場プロや雪崩研究者あるいは訓練を受けた一般山岳利用者など幅広い人材で構成されています。
JANは雪崩を中心に多様な人が集まり、協力し合う、円卓をモチーフとした「雪崩コミュニティの形成」を理念としています。そして「世界でも有数の雪に恵まれたこの国の人々を埋もれさせるのではなく、雪の上に立たせること」を社会的使命とし「雪崩教育と情報を一体化させた多様な活動による雪崩安全の向上」を目標にしています。
活動の4つの柱である「雪崩教育」「雪崩情報」「事故調査」「リソース」は、互いに関連付けられており、全体設計されたプログラムとして実施されています。
雪崩教育:危険への気づきの機会である「啓発」、リスクマネジメントの手法を学ぶ「講習会」、現場プロの継続的発展を促す「CPD」などに大別されます。教育構成は、一般と現場プロで明快に区別しており、対象に合った内容を実施しています。詳細は「全体構成」のページをご覧ください。
雪崩情報:積雪の状態を伝え、行動者の意志決定をサポートするために雪崩情報を発表しています。この情報は、欧米の公的機関が使用しているものと同じ雪崩危険度および構成要素で実施しています。詳細は「概要」のページをご覧ください。
事故調査:雪崩インシデントの現場調査や状況の聞き取りを実施しています。調査結果は学会やワークショップなどの専門会議での発表の他、一般対象のセミナーなどで還元され、役立てられています。詳細は「インシデント」のページをご覧ください。
リソース:雪崩の知識を深めるための書籍の出版や翻訳、あるいは安全啓発に役立つチラシの作成頒布などを行っています。
JANは、初心者から現場プロまで、各階層に対する標準化された質の高い教育を提供し、それらを通して積雪コンディション情報の共有と交換を促しています。そして、育成された人材のネットワークによって、公衆の雪崩安全の社会インフラである「雪崩情報」の発表を行っています。
また、適切な教育を背景にした事故状況の理解は、どのような種類の事故であれ「必ず、自分も起こしうる」という当事者意識を持つ形での理解が可能となります。これは雪崩事故の多くがヒューマンファクターに因るものである点からも、とても重要なことです。
JANでは、このような全体設計された活動を通して、積雪の状況に合わせた意志決定ができる自律的な行動者を育て、雪崩コミュニティを成熟させることこそが、雪崩事故の発生率を下げ、また一旦事故が発生した場合でもその被害軽減に役立つと考えています。
個人会員には、正会員と賛助会員があります。正会員には総会での議決権がありますが、内規を遵守して頂く必要があります。会員になりますと、会員専用のメーリングリストに登録され、活動報告書が年1回送付されます。
①プロフェッショナルメンバー
雪崩に関わる専門スキルと経験のある個人正会員においては、以下2種類のメンバーに登録し、その職能を示す専用バナーを使用することが可能です。雪崩コンディションの把握やそれに合致した意志決定など、適切な雪崩安全対策を行うには、継続的な訓練と十分なフィールド経験を必要とします。
・トレーニングスクール「雪崩業務従事者レベル2」あるいは同等職能を有すること
・雪崩に関わる仕事を過去6シーズンの内4シーズンで実施していること
・「雪の掲示板」への十分な数の投稿がなされていること
②アクティブメンバー
・トレーニングスクール「雪崩業務従事者レベル1」あるいは同等職能を有すること
・雪崩に関わる活動を過去6シーズンの内4シーズンで実施していること
・「雪の掲示板」への十分な数の投稿がなされていること
雪崩業務従事者レベル1もしくはレベル2,あるいは同等資格を所持した日本雪崩ネットワークの正会員の一覧です
団体会員には、営利団体と非営利団体それぞれに正会員と賛助会員があります。正会員には総会での議決権がありますが、内規や倫理規定を遵守して頂く必要があります。会員になりますと、会員専用のメーリングリストに登録され、活動報告書が年1回送付されます。
『団体賛助会員リスト』 GPS Store