JAN MAGAZINES

2020/02/11

【vol.4】雪崩安全対策に寄与できる簡単なこと

観察データの投稿フォーム

雪山で活動する人なら誰でも「今日の雪の状態、どんなかな?」と考えますよね。それは、日々、雪崩安全対策に係る実務者も同じです。実際にフィールドを動き回り、不安定性を示唆する証拠を探し、積雪に穴を掘り、雪にまみれ、適当なところでスキーカットを掛けてみる。そのような作業をしながら、「どのようなタイプの雪崩が、どのような場所にあり、どの程度の刺激で発生しうるのか、そして、もし、発生した場合、どの程度の規模となりうるのか」を考えています。

経験あるAvalanche Forecasterであっても「積雪内には不安定性を示唆する要素がある、でも、それが本当に人の刺激程度で雪崩を発生させうるのか?」について、十分な確信を持てないことがあります。そんな時、一番、役に立つのが、実際に発生した雪崩の情報なのですね。メール一本、写真一枚の情報提供が、どれほどありがたいことか、それは、雪崩安全対策に取り組むプロであれば、日々、痛感していることです。

「山はとても大きく、私たちの行動範囲はとても狭く、自分の見ているものは限定的である」という当たり前の事実に向き合えば、私たちは、皆、協力することが最善であることがわかります。20年前、そのような理念でJANは設立され、情報共有のプラットフォームとなることを目指しました。CAA(Canadian Avalanche Association)と提携したのも、情報共有を基盤とした雪崩教育プログラムが成立していたからです。日本には、そのようなものはありませんでしたし、米国にもヨーロッパにもありませんでした。

幸いにも理念に賛同した多数のJAN会員がいて、現在、100 名ほどメンバーによってフィールドでの「観察データ」が、日々、投稿されています。山岳ガイドだけでなく、スキーパトロールからも安全管理で発生した雪崩などが情報共有されていますし、雪崩業務従事者レベル1を受講された熱心な山ユーザーもいます。投稿データは、皆さんが閲覧できる公開されたものと、非公開のものがあり、それらは雪崩情報を提供している地域では重要なバックデータとなっています。

雪山を楽しむだけでなく、「もし、何か、安全のために役立つことができるのなら・・・」と考えていらっしゃる方は、フィールドで「真新しい雪崩」を目撃したら、写真を撮ってお送りください。これまでもTwitterにてハッシュタグ(今年は#nadare2020)を利用した情報共有をしていましたが、Twitterをされていない方のために、サイトに投稿フォームを用意しました。匿名やニックネームでの投稿も可能となっています。観察データの共有は「こちら」からアクセスしてください。情報をお待ちしています。

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