NEWS
2024/03/07
2024年3月2日に谷川岳西黒沢で発生した雪崩事故について、3月5日に現地調査と関係者への聞き取り調査を行いましたので、速報としてお知らせします。数値等は速報値ですので、この後、変更される可能性もあります。
●事故概略●
日 付: 2024年3月2日
時 刻: 10時55分頃
場 所: 西黒沢北面(地形図)
概 略: 山岳域である西黒沢北面を3人グループが滑走を計画。最初に滑走したメンバーから無線連絡が入らないので、残された2人は斜面を下降。すると雪崩破断面があり、さらに下部斜面上に外傷を負い、意識不明のメンバーを発見。事故は消防に通報され、要救助者は病院へ搬送されたが、その後、死亡が確認された。
図1 現場地形図(図版の差し替え、0307, 2300hrs)
赤丸が要救助者の発見場所(1,160 m付近)。雪崩は支尾根に乗り上げつつ流下しており、その箇所で要救助者は木に引っかかる状態で発見された
●雪崩データ●
種 類: 面発生乾雪表層雪崩(ストームスラブ)
規 模: サイズ2(流下距離・約440m)
標 高: 1,320 m付近(上部破断面)
方 位: 北
破断面: 幅 40m、厚さ 40-50cm
傾 斜: 40°
弱 層: こしまり雪(推定)
滑り面: しまり雪(推定)
補 記:データは現場斜面を下降した救助者の聞き取りと当事者からの情報で作成。
写真1 現場近傍での積雪観察
積雪観察は3月5日に近傍斜面で実施。下部の赤線が推定された滑り面
●補記●
被害者のエアバッグは展開されていたが、流下中に樹木への衝突が致命傷となったと推察されている。
日本雪崩ネットワークは様々な情報を提供するために、日々活動しております。今後も持続し続けて行くためにも皆様のご協力が必要です。